はじめに

 インターネットに代表される情報技術の進展等によって、著作物の創作または利用を本来の職業としていないいわば素人が、著作物の提供者あるいは著作物の利用者となる機会が増えています。著作物を提供したり利用したりする際には、当事者間で予め著作物の利用条件やその範囲、著作権の帰属を確認するために書面による契約を結ぶことが望まれますが、一般の方々にとっては著作権に関する法律知識や契約実務の知識等があまりないため、個人の力だけで契約書を作成するのは容易ではないというのが実情だと思います。
 本マニュアルは、このような問題意識の下、著作権の分野に必ずしも精通していない一般の方々が、著作権契約を結ぶために必要な知識をできるだけ簡単に習得できるよう作成したものです。
 本マニュアルは、すべての利用場面に共通して必要となる内容を総論としてまとめ、また、より具体的な個々の利用場面に即した解説を各論としてまとめています。各論の個々の利用場面については、このホームページで提供している「著作権契約書作成支援システム」に収められている契約書のひな形のパターンと一致するよう工夫していますので、これらを併せて利用するとより効率的に契約書を作成できると思われます。
 本マニュアルが著作権契約締結のハードルを低くし、書面契約の普及の一助となれば幸いです。

第1章 総論

1.著作権契約の基礎知識

(1)著作物の利用と著作権について
(2)著作権に関する契約について
(3)著作者人格権および実演家人格権について

2.契約の基礎知識

(1)契約とは
(2)契約はどのように締結すればよいのですか?
(3)その他契約書に盛り込まれることのある事項

第2章 著作権契約書の作り方

1.講演、パネルディスカッション、座談会に関する契約書

(1)対象
(2)契約の内容
(3)契約書例

2.演奏会・上演会における出演者と主催者の契約書

(1)対象
(2)契約の内容
(3)契約書例

3.原稿執筆、イラストの作成、写真撮影などの依頼の際の契約書

(1)対象
(2)契約の内容
  
A.相手方依頼する著作物の創作作業の内容を定める部分
  
B.創作された著作物の著作権の帰属やその利用方法を定める部分
(3)契約書例

4.既存の原稿、イラスト、写真などの利用の際の契約書

(1)対象
(2)契約の内容
(3)契約書例

5.主催者が利用するイラストなどの公募の際の募集要項

(1)対象
(2)募集要項の内容
(3)募集要項例

6.展覧会、発表会、コンクールなどの作品募集の際の募集要項

(1)対象
(2)募集要項の内容
(3)募集要項例


 必要項目を入力すると契約書のひな形が出力される「著作権契約書作成支援システム」を提供しています。本マニュアルとあわせてご利用ください。


 このマニュアルは、平成17年度文化庁委嘱事業「誰でもできる著作権契約のための調査研究」において作成されたものです。研究委員等は以下の方々です。

 座  長
尾崎 史郎  (独)メディア教育開発センター研究開発部 教授

 委  員
池村 聡   森・濱田松本法律事務所 弁護士
石井 亮平  日本放送協会 マルチメディア局著作権センター 担当部長
市村 直也  橋元綜合法律事務所 弁護士・弁理士
中西 開   (株)電通 法務室法務3部 部長
大和 淳   横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

 事務局
(社)コンピュータソフトウェア著作権協会